2019年3月8日

星稜高校(石川) 2年連続13度目

 奥川1人のチームとは言わせない。奥川と小学4年からバッテリーを組み50人の部員を束ねる山瀬主将は「チームの目標はもちろん日本一。個人としては、自分の(同世)代に素晴らしい捕手がたくさんいるので日本で一番の捕手になりたい」と鋭い眼光を向けた。
 新チーム結成からの合言葉は「日本一の練習」だ。昨年、2年生(当時)で唯一、高校日本代表に選ばれU18アジア選手権(宮崎)に出場した奥川を通じて、春夏連覇を果たした大阪桐蔭・中川卓也主将(当時)から日本一チームの情報を収集。圧倒的な強さの秘けつを普段の練習からの高い意識と結論付けた。「全てを本気でやる。例えば、アップもただ体を温めるだけでなく、しっかりと声を出すことで次の練習につなげる雰囲気をつくる。普段から意識が高まっていけば、優勝を狙えるチャンスも出てくると思います」と力を込める。
 選抜には過去12度出場も昨年を含め3度の8強が最高成績。新たな歴史をつくるため林和成監督(43)は「変化」を求めた。
 「初めてのことをやる意味は伝えました。求められているものがあるんだよと」
 昨年末、星稜史上初めて沖縄合宿を敢行。約1週間、全員が同じメニューの練習を行った。指揮官の「全員にチャンスを与える」方針は競争心をあおると同時に一体感も生んだ。山瀬は「練習を補佐する選手の気持ちや、補佐に求められること、できることが分かった。いろんな立場が理解できた」と振り返る。積雪がある金沢では困難な練習の質と量を確保できたことに加え、意識改革の面でも実り多い合宿となった。
 滞在中の12月29日。雨で午後からの練習ができず宿舎まで約11キロを走って帰ることに。不満の声?が上がる中、林監督は「じゃあ、オレも走ってやるよ」と飛び入り。選手に漂う重い空気は一瞬にして消え、盛り上がりをみせたという。絶対的エース、そしてチームの強い絆を最大の武器に、県勢初となる頂点まで突き進む。

(スポニチ発行2019センバツ特集号から)

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