2019年3月8日

福知山成美高校(京都) 5年ぶり3度目

 糸を引いたように捕手が構えたミットにボールが吸い込まれる。10球連続は当たり前。20球以上続く時もある。昨秋は8試合、65回を投げ与四球はわずかに8。1試合最多は京都大会の福知山戦で与えた2だが、この時は延長11回だった。エース小橋は、まさに「精密機械」と言っていい。
 「自分の中では、めちゃくちゃいいとは思ってない。これが普通だと思っているんで。逆に、何で(そこに)投げられないんだと思うことがある」
 小学2年から野球を始めたが「注目されるのが恥ずかしかった」とマスクをかぶることで顔を隠せる捕手を選択。本格的に投手を始めたのは地元・福知山市内にある成和中軟式野球部在籍時の2年になってからだ。当時、肩は強かったが「コントロールはめちゃくちゃ悪かった」と笑う。指導者から「アウトローにしっかり投げろ!」と投手の原点を口酸っぱく言われ続けたことで、気がつけば「思うところにある程度投げられるようになった」と振り返る。
 1メートル71、71キロと決して大きくはない。井本自宣(さだよし)監督(45)も「見た目はどこにでもいるような投手。本当にエースですか?と他校との試合前によく言われる。そんな普通の投手が甲子園で抑えれば…。面白いですよね」と笑う表情には、絶対的な信頼を感じさせた。
 最速133キロだが、下半身主導の投球で「ボールをホップさせる感じで真っすぐも投げている」といい、打者からすれば、ベース手前で浮き上がってくる感じになる。昨年3月の練習試合では、後に甲子園大会で春夏連覇する大阪桐蔭相手に3失点完投勝ちを収めた。
 「プロに入ってからも成長を続けている。凄いです」と巨人・菅野を崇拝し、左足の上げ方やスライダーの曲げ方を参考にする。岡田とともに「主将」も務めるエースが、絶対的な制球力で、間違いなく勝利へと導く。

(スポニチ発行2019センバツ特集号から)

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