2019年3月15日

日章学園高校(宮崎) 初出場

 

 「気合」が代名詞のアニマル浜口(元プロレスラー)ほど迫力ある風貌ではない。穏やかにほほえむ4番・平野が好きな言葉は「気合」だ。
 昨秋の九州大会は、まさに気合で乗り切った。10月7日の宮崎大会準決勝・富島戦で左膝に自打球を当て剥離骨折。全治3カ月の診断で、医師からは「治るかわからんぞ」と告げられた。痛み止めを使い患部にテーピングを施して同20日からの九州大会全3試合に「4番・三塁」で強行出場。すべて途中交代したが1回戦と準々決勝ではともに2安打2打点するなど9打数4安打、5打点。「ここぞという時は痛みを忘れて走った」と振り返る二塁打もあった。手負いでも「気合」で主砲の役割を果たし選抜初出場をたぐり寄せた。
 甲子園で活躍するため、リハビリ期間も有効に活用。座った姿勢での素振りやメディシンボールを使って腰の回転を意識したトレーニングなど患部以外を鍛えた。年明けからはランメニューも再開。毎日ポール間走30本、塁間ダッシュ20本、タイヤ引きなど精力的にこなす。
 下半身をいじめ抜く理由は憧れの選手である広島・鈴木に少しでも近づくためだ。「全てで凄い。肩が強いし打撃はもちろん足も速い。鈴木選手は太腿回りが67センチと聞きましたから」。平野は現在62センチ。ユニホームがピチピチになるほど太くし、聖地では高校通算18本塁打のパンチ力、チーム最速の50メートル走5秒8の俊足を最大限に発揮する構えだ。
 初めて甲子園で指揮を執る畑尾大輔監督(48)は「いい思い出をつくりたい」と教え子に元気いっぱい、はつらつプレーを期待する。自身は九州学院2年時の87年夏に甲子園出場したが、試合には出られなかった。初戦を突破しPL学園との2回戦で「5番・一塁」での先発起用を伝えられていたが、最後に“俺を使ってくれ!”とばかりに元気のよさを猛アピールしていた先輩に、その座を奪われた。チームは立浪和義(元中日)、片岡篤史(元阪神)らを擁し、その大会で春夏連覇を達成した王者に2―7敗戦。ただ、その先輩は適時打を放つなどチーム唯一の3安打と気を吐いたという。
 「あいさつとか、元気のよさ、そういう部分が大事なんです」。大舞台で本来の力を発揮するには気合も重要だと痛感させられた指揮官にとって、平野の存在は頼もしい限りだ。「相手が強ければ強いほど声が出るし、力を発揮してくれる」。記念すべき聖地初勝利は、技術はもちろん、気合も入れて、つかみにいく。

(スポニチ発行2019センバツ特集号から)

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