2019年3月15日

富岡西高校(徳島) 初出場

 

 信念を貫き、聖地に旋風を巻き起こす。創部120年目でつかんだ春夏通じて初の甲子園。10年4月から母校を率いる小川浩監督(58)は「きっと舞い上がるでしょう。自分も含めてですが…。本当はドンと構えて行きたいところですけど」と笑った。
 1896年に創立された徳島県南部を代表する進学校。練習時間は平日2時間程度でグラウンドは他部と共用。安全面を考慮し打撃練習は他部が練習していない早朝などに限られる。制限ある環境下で、勝つための方法論として行き着いたのが「ノーサイン野球」だ。転機は6年前の高川学園(山口)との練習試合。ノーサイン野球を体現する相手の、予想外のプレーの連続に当時の選手は混乱し、なすすべなく敗れた。
 「強豪校と同じことをしていても勝てない。指示を与えるのではなく、自分たちで考えて動く。ノーサインにするには、普段からのコミュニケーションが大事ですが、それができる子たちですから」
 現在のチームも33人の選手のほとんどが、学校がある阿南市と近隣市町村出身で、同じ中学出身の選手も少なくない。チームワークを最大限に生かすため、選手の主体性を重視する戦略を用いる。
 練習は実戦形式がほとんどで、小川監督は指示を出さない。気付いた点があればプレー中でも集合をかけ、全員で意思疎通を図る。坂本主将は「入学するまではノーサインと知らなかったです。そんな野球ができるのかなと。でも、だんだん分かってくると面白い。自分たち主体でやるのが富西の野球」と胸を張る。最も重視するのは「普段からのコミュニケーション」といい、主将として上級生、下級生の区別なく、全員が意見しやすい環境づくりに腐心している。
 坂本は「一つ勝つことを目標にしていると、一つも勝てない。目標はベスト4です」と力強く言い切った。21世紀枠の最高成績は01年宜野座と09年利府の4強。過去最高の21世紀枠を目指し「ノーサイン」で突き進む。

 

(スポニチ発行2019センバツ特集号から)

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