2019年3月15日

熊本西高校(熊本) 初出場

 

 悲しみを乗り越えた熊本西ナインが「甲子園2勝」を掲げて聖地に乗り込む。エースの霜上主将は「(85年の)夏に先輩方が1勝されているので、それを超えたい」と誓った。
 昨年8月に始動した新チームは「常に笑って常に勝つ」意味の常笑常勝をスローガンに始動。中学までの硬式経験者ゼロの中、熊本大会準決勝で春夏合わせ41度出場の熊本工と対戦。直前の練習試合では大敗していた古豪相手に試合前、横手文彦監督(43)は「楽しんでバカになってやろうよ」と選手を鼓舞。6―5と逆転勝ちし、選手に自信がついた。同大会準優勝すると、九州大会でも8強入りと結果を残した。
 そんな矢先に悲劇は起きた。昨年11月の練習試合中に秋季大会でベンチ入りしていた当時2年生の控え外野手が頭部に死球を受け、亡くなる事故があった。霜上は「笑顔が特徴的で、守備に就く時、あいつの笑顔に力をもらって守備に就いていた」と振り返る。精神的に落ち込む部員が多く指揮官は辞退も考えたが、亡くなった家族から「21世紀枠の辞退や今後の活動停止はやめてください。今まで通り、しっかり前を見てください」と言葉をかけられ翻意した。現在はバックネット裏にある花に各自が手を合わせてから練習は始まる。
 学校周りが田畑に覆われているため、グラウンドの照明施設はなく、練習時間も平日は2時間程度と少ない。また、16年の熊本地震も乗り越え大舞台をつかんだ。霜上は「野球ができることが当たり前じゃないことを教わった。あいつと一緒に全員で頑張っていきたい」と“弔い星”をささげるつもりだ。 

(スポニチ発行2019センバツ特集号から)

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