2019年3月5日

盛岡大付高校(岩手) 2年ぶり5度目

 

超攻撃型野球が持ち味だ。関口清治監督(41)が、チームづくりで最もこだわるのが積極性だ。
 「無死一塁でもバントはさせたくない。2番(打者)にも打たせて、駄目なら3番が還せばいい」
 「1死三塁の形をつくって簡単に犠飛で点を取りたい」
 「2死走者なしから長打2本で1点を奪いたい」
 穴のない打線が、小細工せずにシンプルに得点を奪う。甲子園出場レベルの投手から1イニングに3安打は難しい。2本しか打てないなら、長打力に磨きをかければ得点につながる。それが盛岡大付の超攻撃野球だ。
 「理想はエースで4番」が存在することだと言う。その積極的な攻撃野球で、17年の春、夏の甲子園大会は連続8強と躍進した。だが、関口監督は「8強より上は違う世界。4強以上は優勝できる力があるチームがそろう」と言った。
 裏を返せば8強の壁を打ち破れば頂点が見えてくる。そのためにこの冬は徹底して体力向上に努めた。準優勝した昨秋の東北大会後、関東の強豪校と練習試合を重ねた。
 「東北大会でも(八戸学院)光星や酒田南の選手は体が強いと感じた。関東に行ったときもウチは体が小さいと改めて思った」
 体力がないのに技術を詰め込んでも意味がない、とまずは食事から変えた。グラウンドにも炊飯ジャーを持ち込んで、練習の合間にマネジャーが握るおにぎりをほおばらせ、体重を増やした。
 「筋力の数値も低かった」と、全員にベンチプレス80キロ以上をノルマとして課した。レギュラーなら100キロ以上を挙げろと、プライドも刺激しながら競争心を持たせた。「もう、ほとんどがクリアしている。選抜までには全員達成していると思う」と、ナインの頑張りに関口監督は目を細める。
 全国8強を経験した2年前のチームと比べてずば抜けたレベルの選手はいないが、粒はそろったという。「今年のチームは穴がない。誰かがケガしても代わりに入る選手の力が落ちない」。連戦でも計算できる戦力だ。
 グラウンドに「一瞬懸命」と書かれたボードが掲げられている。関口監督が、08年8月に就任した際に設置したスローガンだ。「野球は一瞬の判断が勝負を左右するスポーツ。一つのミスで負ける。たった2時間の試合なのだから一瞬に懸けてほしいという思いです」。厳しい冬を乗り越え、盛岡大付ナインは文字通り大きくなった。

(スポニチ発行2019センバツ特集号から)

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